筋トレはなぜ身体にいいのか?

「有酸素運動」「筋力トレーニング(筋トレ)」「柔軟運動(ストレッチ)」。この3つは運動の基本中の基本です。今回はこの中から筋トレにフォーカスし、メリットや注意点などを紹介していきます。

筋トレにはさまざまな種目があり、1人でできるものならスクワットや腕立て伏せ、腹筋、道具を使ったものならダンベルやバーベルを使ったトレーニングがあげられます。最近ではファイティングロードなどの通販サイトでもトレーニング道具を購入できるので、筋トレへのハードルもだいぶ低くなりました。

意外に知られていないことなのですが、筋肉量の低下は疲れやすさに関係します。20代、30代、40代…と年をとるにつれて筋肉量は減ってきます。自分のキャパシティが小さくなっているのにこなしている仕事量が変わらないなら、当然疲れやすくなるもの。疲れを溜めやすい状況を変えたいなら、日々の筋トレで筋肉量を増やすのが最善の策です。また、筋肉は身体を支えるコルセット的な役割も持っています。例えば腰を支えているのは大腰筋や腹筋、背筋といった筋肉。これらの筋肉がやせてくると身体の支柱である脊椎を支える力が弱くなってきます。こうなると上半身の重みに耐えきれなくなり、姿勢が前かがみになってきて腰椎への負担が大きくなってしまうのです。ひざの場合もほとんど同じ。ひざ関節の上には、大腿四頭筋という筋肉が発達しています。中でも内側広筋という太ももの内側の筋肉が弱くなると、ひざ痛が生じるのです。関節に負担をかけないようにするためにも、筋トレが大事になってきます。

さらに、筋肉には身体を動かしたり支えたりするだけではなく内分泌器官としての役割もあることが分かってきています。運動で身体を動かすと筋肉組織からイリシンという物質が分泌されるのですが、このイリシンが血液を通して脳へと入っていき、脳内でBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促します。この一連の流れにより、脳の機能アップや認知症防止につながるのはないか、といわれています。

メリットの多い筋トレですが、呼吸を止めたままで負荷の高すぎる筋トレを行うと血圧が急に上がってしまい、高血圧の人にとっては大きなリスクになります。筋肉量を増やすには少しきついぐらいの負荷をかけなくてはいけませんが、その強度設定には注意が必要です。